嵯峨野の野宮神社~恋愛成就のメッカ

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今の梅雨時分は、苔が1年のうちで、一番、美しい季節です。特に雨上がりの苔は瑞々しく、陽が射せばキラキラと光る苔には心奪われるものがあります。

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京都で“苔”と言えば、真っ先に思いつくのが、世界文化遺産にも登録されている西芳寺、通称・苔寺ですが、京都にはその他にも、三千院や祇王寺、法然院など、多くの社寺で美しい苔庭を見ることができます。嵐山にある野宮神社(ののみやじんじゃ)にも「野宮じゅうたん苔」と呼ばれる幻想的で美しい苔庭があります。今回はその苔庭がある、野宮神社のお話しをしましょう。

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縁結びの神様

野宮神社は京都の中でも、縁結びで人気の高い神社です。嵐山・嵯峨野といった京都の代表的な観光地にあることもありますが、季節を問わず、カップルや若い女性たちで境内はいつも賑わっています。

ワイルドな黒い鳥居

野宮神社に着くと、まず、最初に黒い色の鳥居が出迎えてくれます。神社の鳥居は朱色に塗られたものと思い込んでいましたが、野宮神社の鳥居はクヌギの木を樹皮の付いたままのワイルドな感じの素朴な鳥居で、しかも色は朱ではなく、黒! 色が黒いからかどうかはわかりませんが、この鳥居は「黒木鳥居」と呼ばれています。鳥居の形式としては極めて原始的で、日本最古の形式だということです。一見、古ぼけた、さえない鳥居に見えるのですが、この「黒木鳥居」は源氏物語の中で、光源氏が六条御息所を訪ねる場面にも描かれています。由緒ある鳥居なんですね。

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伊勢神宮との関係

野宮神社はもともとは、天皇の代理として伊勢神宮の仕える未婚の皇女の「斎宮(さいぐう)」と呼ばれる内親王が、伊勢に参る前に身を清めた場所だとされています。毎年、秋には斎王が伊勢へ向かう旅を再現した「斎宮行列」というイベントが行われています。野宮神社は小さな神社ですが、伊勢神宮とは縁が深い神社なのです。

願い事を叶えてくれる人気の「お亀石」

境内には子宝安産の「白福稲荷大明神」や交通安全の「大山弁財天」、火伏せの「愛宕大神」、芸能上達の「白峰弁財天」などの社があり、その中でも手を合わせる人が多いのが、縁結びの御利益がいただける「野宮大黒天」。そして、大黒天に参拝した後に忘れてはいけないのが野宮大黒天の横に置かれている大きな石。この石は亀の形をしていることから「お亀石」と呼ばれていて、いわゆる“神石”とされている石です。

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大黒天にお詣りをした後に、祈りを込めて「お亀石」をなでると願い事が叶うそうです。みんな、一生懸命になでるので、「お亀石」の上の部分は剥げたように色が変わってしまっています。みんな、どんな願い事をしているのでしょう…、きっと無茶な願い事もあるんでしょうね…。

光源氏と六条御息所の愛の物語

神に仕える斎宮にゆかりのある野宮神社。六条御息所は、光源氏を激しく愛するが故に、生き霊となり、光源氏が愛した他の女たちを次々に呪い殺すのですが、自分が生き霊になることに苦しんだ御息所は、自分の娘が斎宮に選ばれたことを機に、自分も娘と伊勢に同行し、京都を離れる決心をします。その後、光源氏は野宮にいる御息所のもとに足しげく通うのですが、そんなふたりについに別れの日がやって来ます・・・という話しが源氏物語の「賢木(さかき)の巻」に書かれています。恐ろしくも、切ないストーリーですが、そんなふたりの別れの舞台となった野宮神社が恋愛成就のメッカになったのは、六条御息所の人を愛する熱烈なチカラをあやかりたいという思いからかもしれませんね。

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野宮神社:京都市右京区嵯峨野宮町1 TEL:075-871-1972

(写真・画像等の無断使用は禁じます。)

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