京都の暑い夏を涼しげにしてくれる花に“桔梗(ききょう)”があります。青みがかかった紫の色の小さな花弁の桔梗は、京都に夏の訪れを告げる花ですが、その桔梗が咲くことで知られる、安倍晴明ゆかりの神社があります。今回は陰陽師・安倍晴明を祀る「晴明神社(せいめいじんじゃ)」の話をしましょう。
実在の人物、安倍晴明
晴明神社は堀川今出川交差点を少し南に下がった右手にあり、元々は安倍晴明の屋敷があった場所です。以前は参拝する人も少なく、ひっそりとした小さな神社でしたが、近年、映画や文芸などのメディアによって、陰陽師ブームが巻き起こり、安倍晴明が広く知られるようになってから、訪れる人で賑わっています。
因みに、神社自体も改修・整備されて、明るく、綺麗になりましたが、以前の古めかしい神社の方が呪術を使ったとされる陰陽師のイメージには合っていたようで、ちょっと残念な気がしないでもないです。
安倍晴明は実在の人物で、平安時代中期の天文博士でしたが、陰陽師としての別の顔を持つ晴明は、目に見えない式神(しきがみ)を操りながら、預言や占いを行ったと言われています。
星形の印が意味すること
晴明神社でよく目にするのが、星形の印です。これは陰陽道における魔除けの印で、「五芒星(ごぼうせい)」というものです。
五芒星は陰陽道の基本概念である陰陽五行説、「木・火・土・金・水」の5つの要素を意味したものであり、あらゆる魔除けの呪符として使われてきました。晴明神社では、桔梗の花弁の形が五芒星に似ていることから、「晴明桔梗印(せいめいききょういん)」と呼ばれ、晴明神社の神紋として使われています。境内にたくさんの桔梗が植えられているのは、神紋と深い関係があるからなんですね。
効果抜群のパワースポット
晴明神社には、晴明が念力で湧き出させた、悪病難病が治るとされる井戸の「晴明井」や、陰陽道で魔除け・厄除けの果物とされる桃の形をした「厄除桃」、そして、触れるとご利益があるとされる樹齢300年の「御神木」など、不思議なチカラに満ちたスポットがいろいろあります。
古都・京都には多くのパワースポットが存在しますが、世の怪異を鎮める、並外れた能力をもった安倍晴明を祭神とする晴明神社のパワーは、その中でも群を抜くものと言われています。晴明公にお祈りすれば、様々な災いから身を守り、病気や怪我が治ると、今も語り継がれています。
晴明神社:京都市上京区堀川通一条上ル晴明町806 TEL : 075-441-6460
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