京の七不思議 その2『下鴨神社の七不思議』

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京都北区の桟敷ヶ岳(さじきがたけ)を源とする賀茂川と京都左京区の途中越付近の山中を源とする高野川が合流する三角地帯に「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」、通称「下鴨神社(しもがもじんじゃ)」があります。上賀茂神社と並び、京都で最も古い神社のひとつとされ、世界文化遺産にも登録されています。

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下鴨神社が創建されたのは、平安時代より前とされていますが、その長い歴史において伝説が数多く生まれ、それは今も七不思議として語り継がれています。今回は水と緑に育まれた聖地、「下鴨神社の七不思議」の話をしましょう。

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神聖の地・下鴨神社

京都三大祭のひとつ「葵祭(あおいまつり)」でも知られる下鴨神社には、古代の京都を開いた神様で、人々の暮らしを守るとされる「賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)」と、縁結びや安産の神様である「玉依媛命(たまよりひめのみこと)」がご祭神として祀られています。

下鴨神社が創建された年代は定かではないのですが、神社の南に隣接する「糺ノ森(ただすのもり)」から、弥生時代の住居跡や祭祀土器などが発掘されたことから、ここは平安京が造営される遙か昔から、神聖な場所だったと考えられています。そういった長い歴史の中で「下鴨神社の七不思議」が生まれたのです。

下鴨神社の七不思議とは!?

下鴨神社の七不思議:その1「連理の賢木(れんりのさかき)」

朱塗りの楼門の手前に縁結びの神様を祀る「相生社(あいおいのやしろ)」という社がありますが、その脇に「連理の賢木」と呼ばれる御神木があります。

御神木は3本あるのですが、そのうちの2本が途中から幹がひっついて、ひとつになっている不思議な御神木なのです。縁結びの神様の力でそのような不思議なことになったと言われていますが、更に不思議なことに、今の木が枯れてしまっても、糺ノ森のどこかで同じように途中で繋がった木が必ず見つかるそうです。因みに、今の御神木は四代目だとか…。繋がることに対する圧倒的なパワーを感じます。この御神木がある相生社が特に女性に人気があるのも納得できますね。

下鴨神社の七不思議:その2「何でも柊(なんでもひいらぎ)」

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楼門を入って左手に「比良木社(ひいらぎしゃ)」という社があります。この社の周りに厄年の祈願として木を植えると、どんな種類の木であっても、その木の葉はことごとく柊(ひいらぎ)の葉のようにギザギザになってしまい、願い事が叶うと言われています。確かに、この社の周りにある木の葉はみんなギザギザになっていますが、どうしてそうなるのか、さっぱり、わかりません。まさに不思議です。

下鴨神社の七不思議:その3「御手洗池の泡(みたらしいけのあわ)」

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本殿奥の御手洗社(みたらししゃ)の前にある池が「御手洗池」です。この池は、斎王が禊ぎをする賀茂祭や、土用の丑の日にこの池の水に足を浸して禊ぎをする御手洗祭が行われることでよく知られています。

普段は水の量は少なく、静かな池ですが、不思議なことに、御手洗祭の日が近づいてくると、水が湧き出てくるそうです。そして、水が湧き出る時に、玉のような丸い泡が池の底から浮き上がってくると言われています。この泡が何を意味するのかはわかりませんが、鎌倉時代に後醍醐天皇が御手洗池の水をすくったところ、最初にひとつ、そして少し間があって、4つの泡が浮き上がってきたそうで、その水泡をかたどった食べ物が“みたらし団子”の始まりと言われています。

下鴨神社の七不思議:その4「烏縄手・泉川の浮き石(からすのなわて・いずみがわのうきいし)」

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糺ノ森の中を通る参道を進むと「烏縄手(からすのなわて)」と呼ばれる幅の狭い道に出会います。「烏」とは、“八咫烏(やたからす)”という別名を持つご祭神の賀茂建角身命のことで、「縄手」とは細く長い道のことです。つまり、「烏縄手」とは賀茂建角身命にお参りをするための細く長い道のことなのです。

その「烏縄手」の入り口近くに紅葉橋(もみじばし)という小さな橋がありますが、その橋のたもとに、かつては雨乞いを祈願する「こがらし社」という社がありました。雨乞いの願いが叶い、雨が降ると紅葉橋の下を流れる泉川の小石が飛び跳ねたと言われています。雨が降ると、小石までもが嬉しくて喜んだということなのでしょうか。

下鴨神社の七不思議:その5「船ヶ島・奈良社旧跡」

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泉川と奈良の小川が合流するあたりにその形が船に似ていることから「船ヶ島」と呼ばれる場所があり、そこにはかつて神事の祭場として使われた「奈良殿神地(ならどののかみのにわ)」がありました。ここで願い事をして、奈良の小川の流れをかき回し、その時に小石が跳ねれば、願いが叶ったとか…。それにしても、小石がよく飛び跳ねるところですね。

下鴨神社の七不思議:その6「赤椿(あかつばき)」

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糺ノ森には赤い花を咲かせる椿(つばき)がたくさんありますが、実はこれには理由があるのです。

かつての下鴨神社の神主は位が高く、外から来る勅使や使いの人の方が位が低かったことが多かったそうです。そのため、神官の装束が目立たないようにと気を遣って、目立つ赤い花の椿を植えたと言われています。確かに、この理由を知らないと、どうしてこんなにたくさん椿があるのか不思議に思うでしょうね。

下鴨神社の七不思議:その7「切芝(きりしば)」

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切芝は糺ノ森の中心にあることから、“糺ノ森のへそ”とされている場所です。

切芝は古来より祭場として使われていたようですが、その詳しいことは今もあまりわかっていません。葵祭の前儀として、毎年5月12日に「御蔭祭(みかげまつり)」という祭事が行われますが、その時に切芝神事として、糺ノ森で舞が奉納されます。

古社・下鴨神社は歴史ある趣深い神社です。糺ノ森の原生林に囲まれた下鴨神社に足を運んで、古来から伝わる七不思議を体感してみるのも面白いですよ。

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下鴨神社(賀茂御祖神社):京都市左京区下鴨泉川町59 TEL : 075-781-0010

(写真・画像等の無断使用は禁じます。)

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