龍を探しに

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京都には禅宗の寺院が数多くあります。中でも南禅寺天龍寺相国寺建仁寺東福寺・万寿寺の6つの寺院は格式の高い禅宗の寺院とされています。因みに、この6つの寺院のことを「京都五山(きょうとござん)」と呼んでいます。6つなのに五山とは数が合いませんが、南禅寺を別格として、天龍寺以下に順位をつけて五山としたのです。さすがにどの寺院も名の通った人気のお寺ばかりですが、こういった禅寺の多くに見られるものがあります。それは・・・、“龍(りゅう)”です。今回は禅寺に棲む「龍」の話をしましょう。

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天井に棲む龍

禅宗の寺院にある本堂や法堂(はっとう)の天井やふすまには「昇り龍」がよく描かれています。例えば、京都五山の中では南禅寺の『雲龍図』(今尾景年筆)、天龍寺の『雲龍図』(加山又造筆)、相国寺の“鳴き龍”と呼ばれる『蟠龍図(ばんりゅうず)』、建仁寺の二匹の龍が描かれた『双龍図』(小泉淳作筆)、東福寺の『蒼龍図』(堂本印象筆)などがよく知られています。五山には含まれていませんが、妙心寺には“八方にらみの龍”と呼ばれる『雲龍図』(狩野探幽筆)があります。

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天井に龍が描かれる意味は?

ところで、どうして禅宗の本堂や法堂の天井に龍が描かれているのでしょうか。龍は仏教を護る八部衆のひとつとされています。中国が発祥ではないかとされている八部衆は一般的にはあまり馴染みがないと思いますが、例えば、奈良の興福寺にある阿修羅像と聞くと、少し親しみが湧くかも知れません。あの“阿修羅”も八部衆の神なのです。八部衆とは「天」「龍」「夜叉」「乾闥婆(けんだつば)」「阿修羅」「迦楼羅(かるら)」「緊那羅(きんなら)」「摩睺羅迦(まごろか)」の八つの神のこと。その中の「龍」、つまり龍神を法堂の天井に描くことで、師匠から弟子たちへ法を説く大切な場を天空から見守るという意味を持たしたのです。また、仏法には龍は法の雨を降らすという教えがあり、また龍神は水をつかさどるとされていることから、寺院を火災から守るという意味としても龍が描かれたようです。龍を尊ぶ気持ちの表れなのでしょうね。

2匹の龍が迫ってくる!

それぞれの寺院に描かれた龍はどれも迫力がありますが、その中でも二匹の龍が絡むように描かれている建仁寺の『双龍図』は見るものの目を圧倒します。

建仁寺は日本の茶祖としても親しまれている栄西禅師によって開山された臨済宗の寺院で、京都で最初の禅寺です。その法堂の天井に『双龍図』が描かれています。

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今の『双龍図』は歴史的には新しく、2002年(平成14)年に建仁寺創建800年を記念して、日本画家の小泉淳作画伯によって2年掛かりで描かれたものです。薄暗い法堂に入って、天井を見上げると巨大な天井画『双龍図』が目に飛び込んできます。その大きさは縦11.4メートル、横15.8メートル。畳にすると108畳にも及びます。

視野いっぱいに二匹の龍が広がり、見つめていると二匹の龍だけの宇宙空間にいるような神秘的な気持ちになってきます。どの位置から見ても、龍の目線が追いかけてきて、常に二匹の龍に見られているような感覚は少し怖くもあります。

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名前に龍の字が入った寺院や龍の絵のある寺院が多くあるのは、仏教にとって龍は大切な存在だったという証しなのでしょう。龍を探しに京都へ行ってみませんか!

南禅寺:京都市左京区南禅寺福地町 TEL:075-771-0365

天龍寺:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 TEL:075-881-1235

相国寺:京都市上京区今出川烏丸東入ル TEL:075-231-0301

建仁寺:京都東山区大和大路四条下ル小松町584 TEL:075-561-0190

東福寺:京都市東山区本町15丁目778 TEL:075-561-0087

妙心寺:京都市右京区花園妙心寺町 TEL:075-464-9586

(写真・画像等の無断使用は禁じます。)

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