京都怪異譚 その4「鉄輪井~悪縁を絶ちきる井戸の水」

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「縁は異なもの味なもの」ということわざがありますが、この意味は、男女の縁はどこでどう結ばれるかわからず、とても不思議でおもしろいということ。縁というものは人のチカラを超えたところで、人と人を結び、それは理屈では説明できないものです。ただ、縁は必ずしも良い縁ばかりではありません。切っても切っても、切れない縁。切りたくても切れない縁もあるのです。

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悪い縁を絶ち切る井戸

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京都市下京区にある命婦稲荷神社(みょうぶいなりじんじゃ)の境内に浮気封じに御利益があると言い伝えられている井戸があります。

この井戸は「鉄輪井(かなわのい)」と言い、別名“縁切井戸(えんぎりいど)”とも呼ばれています。この井戸の水を縁を切りたい人に飲ませると、その人との縁が切れると言われています。

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今は井戸の水は涸れてしまっていますが、水を入れたペットボトルを持参し、この井戸に祀って祈れば、同じ効果があるとか…。この井戸は鬼と化した橋姫という女性と縁が切れた場所ということから悪縁切りの御利益があるのです。

鬼になった橋姫の伝説

この井戸にはこんな恐ろしい言い伝えが残されています。

宇治に橋姫という公家の娘がいました。夫と仲睦まじく暮らしていたのですが、夫が別の女に取られてしまい、橋姫はすさまじい嫉妬に狂ってしまいます。

橋姫は貴船神社に行き、「あの女が憎い!取り憑いて殺してやる! 私を鬼にしてください!」と7日間、貴船明神に祈り続けたのです。すると、「鬼になりたければ、身なりを変えて、宇治川に二十一日の間、身を浸せ」と貴船明神のお告げがありました。橋姫はそのお告げの通りに顔に朱を塗り、頭に角をつくって鉄輪を載せ、その鉄輪に3本の松をつけて火を灯し、両端に火をつけた松明を口にくわえるという、まさに鬼のような出で立ち(因みにこの時の橋姫の姿が「丑の刻参り」をするときの姿の起源だという説があります)になって、21日間、宇治川に身を浸し、鬼女になってしまいました。

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橋姫は夫を横取りした女のもとに行き、呪い殺そうとしました。しかし、陰陽師である安倍晴明の呪術によって橋姫の命は絶たれてしまったのです。その場所というのが、この井戸、「鉄輪井」だったわけです。

このような言い伝えから、“命を絶つ”ことを“縁が切れる”に喩えて、井戸には悪縁を切る御利益があると言われるようになったようです。「げに恐ろしきは人の心なり」と言いますが、できることなら悪い縁には巡り会いたくないものですね。

命婦稲荷神社:京都市下京区堺町通松原下ル鍛冶屋町

(写真・画像等の無断使用は禁じます。)

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